Design DAI FUJIWARA個展 in 香港

2021.3.6

ISSEY MIYAKEで主任デザイナーを務め、その後クリエイティブの領域で縦横無尽にご活躍されている藤原 大さんの個展の告知ビジュアルを制作しました。ミッドタウンの2121デザインサイトでのカラーハンティング展のディレクションから、江ノ電の車体のデザイン、資生堂や日立、無印といった企業との商品開発など、多岐に渡る活動をされている方です。その藤原さんが今回、アーティストとしても活動を始めるということで、最初の展覧会が香港で行われています。詳細は下記リンクからご覧下さい!

The Road of My Cyber Physical Hands

通常、展覧会の告知ビジュアルというのは展示するものをメインビジュアルにするのが一般的ですが、今回はもっと自由にビジュアルをクリエイションしていきたいという意向を伺いました。ゼロから藤原さんの世界観をビジュアル表現に落とすべく、何度も作品へのアプローチについて聞かせていただきました。

その中でも一番印象的だったのは「地球にゴミという存在は、元来ない」という言葉でした。ゴミを出しているのは人間だけで、他の動物はゴミを出さない。当たり前のことですが、この言葉を聞いた時、ハッとしました。仮に動物の毛が落ちていたとしても、それをゴミと感じるのも人間だけで、動物はゴミと認識しない。

この思想から、藤原さんはモンゴルの大草原、ニューヨークのタイムズスクエア、東京の地下鉄など、様々な国々の色々な場所で藤原さん自身がダイソンの掃除機とドローンを使い、落ちている動物の毛を採取し、そして、その集まった動物の毛でセーターを編むという実験的なアート作品を作り上げました。埃や屑の一部のようにゴミとして認識されていたものが、実はゴミではなかった。勝手に人間がゴミと決めつけていたんだ、という気づきは僕の中では大きな衝撃でした。

藤原さんの作品に触れると、自分の感覚や常識がじんわりとぼやけていって、最終的に視界がパッとクリアになるような感覚に陥ります。これをビジュアルで表現したいと考えました。そこで藤原さんが作る世界を“空”に見立てて、暗闇がなくなり一斉に晴れていく様子を描きました。また、芯が通って強い感じと細部までこだわり抜いて作り上げていくという“二面性”、フィジカルとアナログという“対局”が作品に内包されているということを表現するために、真夜中と昼間という両極が同時に介在する瞬間を描いています。


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フォントもこのためにオリジナルで書き起こしています。作品に含まれる“二面性”や“対局性”を反映するために、タイポグラフィの中にも強く太い線と、繊細な線を混ざっったタイプデザインにしました。


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コロナの状況もあり、オンラインでかなりの部分が見れるようになっています。ギャラリーツアーも開催されるようなので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

https://www.hkdi.edu.hk/en/hkdi_gallery/gallery.php?product_id=183#section-876

Information

MdNデザイナーズファイル2021の装丁デザインをしました。

発売日 :2021-02-24
仕 様 :A4判/272P
ISBN :978-4-295-20099-4
価 格 :本体 3800円(税別)
出版社 :エムディエヌコーポレーション
販 売 :Amazon 楽天ブックス ヨドバシ.com

詳細はMdN BOOKSをご覧ください。