Branding カフェのブランディング Vol.2

2021.1.29


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前回のHUNGRY GHOST Cafeに続いて、カフェのブランディング Vol.2ではmamanというカフェをご紹介します。

mamanはマンハッタンのトライベッカやソーホーなどダウンタウンを中心に全部で9店舗展開されているカフェです。このカフェの特徴はなんといってもその統一された世界観。 フランスのアンティークを想起させる花柄パターンを使って、カップや食器、店内で販売している紅茶やお菓子、キャンドルのパッケージ、そして、エスプレッソマシーンまでもしっかりとデザインされています。ちなみに、ニューヨークはエスプレッソマシーンにお店のロゴやシンボルマークを施してオリジナルの仕様にしているカフェがとても多いです。コーヒーやエスプレッソのマシーンは大きく、存在感もあるので、お店独自の雰囲気が出せるのと、そこから作られるコーヒーも特別な感じを演出することができますよね。


mamanのメインの花柄がデザインされたエスプレッソマシーン。

mamanのメインの花柄がデザインされたエスプレッソマシーン。


上品で大人っぽく、かわいいグッズ。

上品で大人っぽく、かわいいグッズ。


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このカフェは、インテリアにも非常にこだわっています。クラシックで味のあるの家具やうさぎの置物や古書、籐のかご、何一つ新品が置いておらず、アンティークショップにでもいるかのような内装です。数店舗ですが、どこのmamanに行ってもこのコンセプトが一貫して表現されているところは、ブランディング視点からもブレがなくて素晴らしいなと思います。アンティークは同じ物をいくつも手に入るのは難しいので、お店によって違うインテリア小物を使いながらも、同じ世界観を作るのはなかなか困難ではありますが、そこはさすが、ニューヨークのスタイリングセンスの高さを実感します。

そんなmamanのコンセプトは、ダイバーシティーな街に住むニューヨーカーが集まってゆっくりとくつろげる、まさに実家のような憩いの場。創業者のベンジャミン・ソルモンテ氏とエリサ・マーシャル氏のお互いのお母さんが南仏と北米出身とのことで、彼らが幼い頃に経験した家族の伝統を生かした料理や快適な空間を提供しています。フランス語で「母」を意味する「maman」という名前のが付けられている意味がよく理解できます。 ブランドのストーリーがダイレクトにネーミングにつながって、お店の雰囲気にも反映されています。

現在はコロナ禍で開催はされていないようですが、様々なワークショップも行っているようです。

mamanはカフェメニューがメインですが、レストランのメニューもあります。さらに、ケータリングやイベントなどにも力を入れているそうです。一昨年、息子のスクールで懇親会があったのですが、その時のケータリングにmamanが使われていました。コーヒーのボトルは紙でできていて環境にも配慮しているし、こちらもアンティーク調の花柄のデザインが施されていてとても素敵でした。

近所にはたくさんのカフェがあるのですが、特に妻はmamanに立ち寄ることが多く、いわく、カップが可愛いので持って街を歩くだけでテンションが上がるらしいです。美味しいコーヒーという前提ですが、気分が上がるというのは、まさしくデザインの力だと感じました。

ちなみに今朝のニューヨークは、マイナス8度、体感温度はマイナス14度でした。かなりの寒さでしたがmamanのホットチョコレートを飲んで温まりました。

Information

MdNデザイナーズファイル2021の装丁デザインをしました。

発売日 :2021-02-24
仕 様 :A4判/272P
ISBN :978-4-295-20099-4
価 格 :本体 3800円(税別)
出版社 :エムディエヌコーポレーション
販 売 :Amazon 楽天ブックス ヨドバシ.com

詳細はMdN BOOKSをご覧ください。